『私を整えるごはん』には詳しく記載できませんでしたが、みりんも選び方によって味はもちろん、体への影響も変わってくる調味料のひとつ。
本来の「みりん」の原料は、もち米、米麹、本格焼酎のみ。
蒸したもち米と米麹を焼酎と共に仕込み、搾って、長期間の醸造熟成を経た後に、みりんになります。
現在では、伝統的製法と工業的製法の2種類の製法があります。
◇伝統的製法
日本の伝統的な製法です。 上質なもち米を原料に使用し、和釜で蒸煮。 仕込み後のみりんもろみを長期糖化熟成。 みりん本来の製法で、乙類焼酎(米焼酎)を用いる。 醸造・熟成期間は2年がかり。
◇工業的製法
戦後から行われるようになった工業的な製法。 加圧蒸煮や高温液化などの処理を施して、短期間ででんぷんやたんぱくの利用率を増す。乙類焼酎ではなく、ホワイトリカーなどの甲類焼酎を用いる。
醸造・熟成期間は40日から60日ほど。
本みりんなら何でもOK……ではない理由
現在、本みりんと書かれていても伝統製法ではないものが多い。
それは、戦中・戦後の米不足の中、米を材料にするみりんが贅沢品として高額な酒税がかけられたことが原因。この高い酒税から逃れるために登場したのが、雑穀を原料にした「新みりん(煮切りみりん)」と、塩水の中でアルコール発酵させた後に甘みを加えた「塩みりん」。
◇本格仕込みみりん/日本の伝統的な製法。 上質なもち米を原料に使用し、和釜で蒸煮。 仕込み後のみりんもろみを長期糖化熟成。 みりん本来の製法で、乙類焼酎(米焼酎)を用いる。 醸造・熟成期間は2年がかり。アルコール分約14%。
◇一般的な本みりん/蒸したもち米と米麹にアルコールおよび水あめを加え、香味を調整して2~3か月で造る。 アルコール分約14%。
◇みりん風調味料/水あめやブドウ糖またはデンプン質の糖化液にグルタミンソーダを中心とする化学調味料やアミノ酸液香料等を混合して造る。 塩水中でアルコール発酵させて造った調味原液に糖液などを加えて調整したもの(塩みりん)、米のかわりに雑穀で造った糖液にアミノ酸、酸味料を添加したもの(新みりん・煮切りみりん)などが出回っている。 アルコール分はほとんど含まない。
みりんの5つの効果
角谷文治郎商店さまのHPより引用
1照り・つやを出す……みりんの複雑な甘み成分が、加熱されることで膜を作ります。 砂糖の倍近い照り・つやを出します。
2こく・うまみを引き出す……浸透性にすぐれたアルコール分子が材料の組織内に浸透する時に、他の味の分子も一緒に引き込みます。 アルコールは熱で蒸発し、素材の旨みだけが残ります。
3臭みを消す……アルコールが蒸発する時、材料の奥にあった生臭みの成分まで一緒に抱えて蒸発します。 糖化・熟成によって生じたみりん特有の成分も、消臭に効果があります。
4煮くずれを防ぐ……材料にアルコールが浸透し、身(組織)を引き締めます。
5上品でまろやかな甘み……砂糖の甘み成分がショ糖1種類のみであるのに対して、みりんにはブドウ糖など何種類もの糖が含まれています。
本格仕込みの伝統製法を守ってつくられている三河みりん どちらも美味しいです。
あとはどこまでこだわりたいかでお選びください。
国内のもち米で作られた本格仕込みみりん
こだわりの無農薬栽培の原料で作られた本格仕込みみりん